江原啓之批判の誤解を解く  〜 江原さんを応援するサイト〜


補足 07/8/25    

◇ 霊界通信に厳格さを求めてはならない  〜 霊団は大学の教授のようなもの 〜



 霊界通信は、霊界の高級霊が、神からマニュアル本を渡され、それをそのまま棒読みしているものではありません。
神の御意志ですが、高級霊が膨大な時を経て、自らの体験や学びによって悟ったことを、地上に通信しているのです。

 「これまでの永い霊界での生活、向上、進化をめざして励んできた魂の修行の旅において、私がみずから学んできたこと、あるいは教わったことはすべて、愛の心をもって快く皆さんにお教えしております。」 シルバー・バーチの霊訓 (五) P17

 ですから、その通信の中には間違いもあります。
日本では有名な「シルバー・バーチの霊訓」にも、通信に間違いがある場合があると、はっきり書かれています。また、江原啓之さんも、通信霊団も間違うことがあると述べています。


 たとえば、有名な「モーゼスの霊訓」 (W・S・モーゼス著 近藤千雄訳 コスモ・テン・パブリケーション発行)では、何と、「転生」 (何度もこの世に生まれ変わること)はないと教えています。

 「無限の時間をかけ、無数の再生を繰り返すという輪廻転生の教義は、永遠の向上進化を象徴するために作り出された誤りの一つでした。・・・・・数かぎりない転生の中において人間もそれに生まれ変わるものとする信仰を生んだのですが、この信仰は死後の向上進化の過程の中で改めていかねばなりません。」  モーゼスの霊訓 (下) P97

 ですが、シルバー・バーチも、江原啓之さんも転生があると教えています。
何故、このようなことが起こるのでしょうか?
シルバー・バーチはこう述べています。

 「知識と体験の多い少ないの差がそうした諸説を生むのです。 再生(転生)の原理を全面的に理解するには、たいへんな年月と体験が必要です。 霊界に何百年何千年いても再生の事実を全く知らない者がいます。なぜか。 それは死後の世界が地上のように平面的でなく段階的な内面の世界だからです。 その段階は霊格によって決まります。 その霊的段階を一段また一段と上がって行くと、再生というものが厳然と存在することを知るようになります。もっともその原理はあなた方が想像するような単純なものではなりませんが……。」 
  シルバー・バーチの霊訓 (一) P22

 「背後霊にもいろんな種類があります。 目的がいろいろとあるからですが、その霊がすべて同じレベルにあるわけではありません。 交霊会において各々に割り当てられる仕事は成長と発達の度合によって異ります。 宇宙の機構について詳しい霊がいても、あくまでその時点までの、その霊の経験の結果としての知識を述べるのであって、まるで知らないことについては答えられません。 知らないことは何一つないような霊は決していません。
 たとえば物理実験会で門番のような役をしている霊は高等な思想上の問題はよく知りませんし、高等な思想・哲学を説くことを使命としている霊は物質化現象をどうやって起こすかといったことは、まるで知りません。 霊をぜんぶ同一水準に置いて考えることは禁物です」 
   シルバー・バーチの霊訓 (二) P130



 イエス・キリストの誕生についても、異なる説があります。
イエス・キリストは、男を知らない処女から、聖霊の力で懐妊したと聖書には書かれています。
ですが、シルバー・バーチは、こう言いました。

 「イエスの誕生には何のミステリーもありません。その死にも何のミステリーもありません。
他のすべての人間と少しも変わらない一人の人間であり、大自然の法則にしたがってこの物質界へやってきて、そして去って行きました。」
 シルバー・バーチの霊訓(九) P138

 しかし、英国に於ける今世紀最大の霊能者の一人として欧米のスピリチュアリズムに貢献した人物と言われるG・カミンズの著、「霊界通信 イエスの少年時代」(G・カミンズ著 山本貞彰訳 潮文社)には、マリアが神の霊の力によって、神秘の受胎をしたことが、美しく描写されています。 
通信の規模の大きさから、この処女懐妊説が正しいのかもしれません。
シルバー・バーチの霊訓を翻訳した近藤千雄さんも、この説を支持しています。
 ( 参考 「霊界通信イエスの成年時代」P4 G・カミンズ著 山本貞彰訳 潮文社)

 また、肉食についても、霊界通信によって説が異なり、スピリチュアリズムの霊的真理に、このように諸説があることは、この世界では常識です。 
  (参考 霊の書(上) 潮文社 P4)


 ☆

 「何だ、霊界通信というものは、そんなにいい加減なものなのか」と思うかもしれませんが、
ちょっと待って下さい。

 これを私は、大学の教授に喩えています。
教授たちは、調査、研究して発見した成果、自らが体験して悟った哲学などを教えています。
ですから、教授によっては、異なった学説を唱えます。
大学の講義で、それぞれの教授が諸説を説いても、学生はそれでも学力が向上していきます。
大筋のところでは一致しているからです。

 もう一度、述べますが、通信を担当する高級霊団は、完全な真理が書かれている教科書を
神から与えられて、それを棒読みして教えているのではありません。
それでは何も伝わらないでしょう。 
教える人が自分で見聞きして体験して悟っていることを生徒に教えています。
ですから、説得力もありますし、応用も利きます。
質問されたら、答えることもできます。
その教師も発展途上にあるのですから、教えられることには自ずと限界がありますし、誤りも起こります。全知全能の神ではないのですから。

 これは、この世でのスポーツのコーチのようです。
コーチは完全な知識を持っていません。
自らの学習や体験を通して学んだことしか教えられません。
少し前までは、「バテるから運動中に水を飲んではいけない。」と間違ったことが教えられていました。でも、それでも選手は上達しました。

 幼稚園で運動会があるとします。
幼稚園児に世界一流のスポーツコーチをつけたりするでしょうか。
近所のおにいちゃんが、教えてあげれば十分です。
 霊界の中では、下位にある地球。
その中に住んでいる人間は、宇宙の中ではいわば幼稚園児のようなもの。
このような通信で十分なのです。
(といっても、私たち地球人とっては、偉大な啓示であることにはかわりません。)


 私たちはこの地球で、たましいを向上させるために、訓練をするために来ました。
そのために必要な基本的な教えは、十分与えられております。
 霊界があり、人間は霊の存在であり、永遠に生きること。
カルマの法則があり、この地上にはたましいを磨くために来たこと・・・・・。
これら否定する通信はどこにもないでしょう。


 高級霊たちが異口同音に言うのは、「私よりさらに上の界、神々の域の世界については何もわからない、ただ、そこから発せられる、光と威力の影響力から、神の偉大さがわかる」と――。
高級霊とて完全ではなく、学びの途上にある霊だということを忘れてはいけません。


 シルバー・バーチは、こう述べています。

『 (質問)――その説からいうと、霊媒はなるべく支配霊と似通った願望の持ち主がよいことになりませんか。

「一概にそうとも言い切れません。これは異論の多い問題の一つでして、私どもの世界でも意見の相違があります。忘れないでいただきたいのは、私たちスピリットも人間的存在であり、地上との霊的交信の方法について必ずしもすべての点で意見が一致しているわけではありません。」』  シルバー・バーチの霊訓 (四)P159〜160

 「意見の相違がある」と言っていることから、高級霊界にも、諸説があることが明らかです。
 これを読むと「シルバー・バーチの霊訓」と違うことが述べられているから、その通信は間違いだとか、信憑性がないとか言うことが、いかに意味のないことかわかるでしょう。

 ですから例えば、、数ある霊界通信の中の一つである、「シルバー・バーチの霊訓」に書かれてあることと、一部、違うことが江原啓之さんの著書などに述べられているからといって、それが偽物であると考えてはいけません。


 ◇

 私たち一人一人には、守護霊がついています。
そして、その守護霊にも、守護霊がついています。そしてその上位の守護霊にもまた上の守護霊が……。そうやって延々と続き、やがて中心の神に至ります。
一段上の霊が、下位の霊を教え、導く……。

 完全ではないけれど、自分の努力によって刈り取った「悟りや学びの実」を、自分よりすこし下の霊に与える。
そうやって全宇宙の霊が、愛する機会と喜びを得、向上して行く。
これが神様の定めた方法なのです。


 「こちらの世界では"協調"ということが大原則なのです。一つの大きなプランがあり、それに従って共通の利益のために各自が持てるものを貢献し合うということです。・・・(中略)・・・開発した霊的資質と能力を自分より恵まれない人のために惜しみなく活用し、代わってその人たちも自分より恵まれない人のために持てるものを提供する。かくして地上の最低界から天界の最高界に至るまで連綿として強力な霊的影響力の輪がつながっているのです。」
 シルバー・バーチの霊訓 (五) P15

 「高い者が低い者を援助することになっているのです。それが摂理です」
 シルバー・バーチの霊訓 (五) P106


戻る


家並み